前回は、
目の前の子どもだけを見て
全体を見ることができないと
困ることもありますよ、というお話でした。
今回はその対極で、
『森を見て木を見ず?』が
おきていることもあるよ!というお話です。
園では運動会や発表会など
さまざまな行事が行われます。
多くのお客様がおみえになる行事ですと
保育士たちの準備も大掛かりなものになり、
その日の進行について何度も
綿密な打ち合わせが行われます。
前もっての練習でも、
この進行がうまくいかない、とか
この準備に手間取る、とか
当日までなんだか落ち着かず、
直前には保育士の緊張もMAXの状態になりますね。
さて、少し視点を変えて考えてみます。
保護者の方も
行事を楽しみにしていることにかわりはありません。
でも保護者の方が気になさるのは
進行でも準備でもなく、
我が子の笑顔や保育士のかかわり方なのです。
うまくできなくても
ニコニコ笑顔で参加する子どもを見ると
保護者の方はそんな子どもの姿に
感動するのではないでしょうか。
例えば1本橋を渡る場面で、
途中足を踏み外してしまったとき
『〇〇ちゃん失敗してしまったようです!
もう一度がんばって!』と大きな声で
アナウンスが流れるよりも
そっと手助けして見守り、
『〇〇ちゃん、最後までがんばりました!』と
言われたほうがきっと嬉しいですよね。
林業の方もすべての木に陽が当たるように
大きな木の枝を伐採することもあるそうです。
全体の流れに気を取られて、
ひとり一人の子どもの気持ちに配慮することを
忘れがちなのが大きな行事です。
どんな行事であっても
子どもひとり一人の笑顔はまもってあげなくては
行事を行う意味を見失ってしまいます。
みんなに陽が当たって、
すべての子がどれだけ輝けたか、
それこそが行事の成功といえるのかもしれませんね。